D.Force The First Chapter
Force-7

裏切り


「石氷弾!」
ナチの放った氷のつぶてが目の前の岩に着弾し、凍り漬けにする。続いてスティングが精神を集中させ火を放つ。
「炎よ!」
絶対零度の岩が高温の炎に包まれる。
ビシッ!
岩が割れる音とともにディクスが飛び出す。
「はっ!」
助走をつけ、細身の剣で岩を叩く。
パァンッ!
辺りに大きな音が響き、岩が真っ二つに割れた。
「割れたっ!」
ナチが嬉しそうに手を叩く。ディクスは剣をしまうと真っ二つに割れた岩の割れ目を丹念に調べる。
「まだちょっと熱いな」
つぶやくと手のひらに力を集中させる。そして、ぺたぺた岩を触ったり叩いたりした。
「見つかりそうですか?」
スティングが覗き込む。
「んー・・・どうだろう?もうちょっと割ってみるか」
言うと手の平を岩にくっつける。精神を集中するが・・・・
「やっぱ無理だ」
「何が?」
ナチが訊く。
「岩を割るんだ。だけど俺の力だけじゃ無理だ。とても割れないよ。スティング、手を貸してくれないか?」
・・・力の出し惜しみですね
「はいはい」
スティングが苦笑しながらディクスと同じように手を岩にかざす。
「ナチ、十五秒位したら合図してくれるか?それに合わせて術を使うからさ」
「オーケー!」
一、二、三・・・・・・・
「はいっ!」
ビシッピシッ!岩が音を立てて崩れる。二人の術のコラボレーションによって粉々になった。そのくずの中をディクスとスティングの二人が手探りで何かを探している。それをナチが興味津々に見ていた。しばらくそうしていると・・・
「あった!」
スティング大きな声を上げて何かの粒を掲げた。日の光を受けてキラキラ光っている。
「やった!あったな。本当に」
「そりゃあ・・・王族一族に備わっている力ですから。でもまだちょっと小さいかもしれません。一度こぶし大の石見つけたことあるんですけどね」
スティングは残念そうに言うがディクスとナチは満足そうだった。
「これで当分の路銀になるわね」
「ああ、これでやっとまともな食事にありつけるな!」
嬉しそうに言う。その様子をスティングがすまなそうな表情で眺めていた。
・・・あれから一週間が経っていた。しかし、その間に路銀が尽きてしまったのだ。土地のアップダウンに負けて、馬車を利用したのがいけなかった。ディクスの誤算である。スティングは確かに金目の物を身につけてはいたが、どれも高価すぎて逆に質に入れることができなかったのだ。それに彼の従者とも連絡が取れず、結局変わりになるものがなかった。
「これで汚名返上・・・ですかね?」
スティングが言う。石を眺めていたディクスが立ち上がってスティングの肩をぽんと叩く。
「よかったな!これからも頼むから」
ものすごく嬉しそうに言う。スティングは一族の"力ある石を見つける力"を持っていた。ただの石ではなく、護符の代わりになる力を持った宝石だった。それを持つものの精神を癒し、増幅させる効果のあるその宝石は希少価値が高く、重宝されていたのだ。
「スティングって探知機みたいねー」
言われて思わず苦笑いする。
・・・探知機・・・・
「とにかく次の町で換金するか。結構儲かるはずだ」
「それは良かったです。僕はこれくらいでしか役に立ちませんから」
・・・探知機としての役割しか持たない王族の末裔って一体・・・・?
自分で疑問に思って情けなくなった。
「次の町までどれくらい?」
「そうだな、あと二時間も歩けばつくだろう。そんなに大きな町じゃないけどな」
言って石を大事にしまうと町に向かって歩き出した。
その途中である。
「二時間どころじゃないじゃない!」
ぜーぜー息を切らしながらナチが文句を言う。それに反論する気力もないのかディクスは黙ったままだった。
・・・やっぱ遠回りの道の方がよかったか・・・くっそー!何でこの地図は高低まで書いてないんだ!?
ディクスは遠回りだが平坦な道を選べばと後悔した。今彼らが進んでいる道は急傾斜のために誰も使わないのだ。ディクスはそれを半分わかっていたが、まさかこんなにきつい傾斜だとは思っていなかった。
傾斜がきつくて体への負担が大きい。さらに、昼間でどんどん気温が上がる。
「大丈夫ですか?荷物持ちますよ?」
なぜかまだまだ元気なスティングがバテバテな二人に声をかける。
「・・・なんでそんなに涼しげな顔なんだ?」
ディクスがいぶかしげに訊く。
「え?マントの下に冷たい風が通るように風系統の術を使ってますから」
その言葉に絶句する。
・・・こんな急傾斜なのにまだ術を使う余力があるなんて・・・なんてやつだ。
「たいした体力と精神力ね・・・」
ナチがあきれたように言う。しかし、スティングは嬉しそうに言った。
「でもこんなのまだまだですよ。僕なんか毎日砂袋持たされて、城内ランニングですよ。しかも、朝と夜」
その言葉に再び絶句する。スティングは遠い目をしている。
スティングが外に出たがるのもよくわかるな・・・王族も大変だな・・・
同情しながら坂を上り続けた。
下りの道に差し掛かろうとしたときだった。先頭をいまだに元気に歩くスティングが立ち止まる。それに気付いた二人が声をかける。
「スティングー、どうしたー?」
「どうしたの?今度は下り坂かな」
しかし、スティングは黙ったままだった。前方を不審そうに眺めている。そして、振り向き、二人に困った表情を見せた。
「なんか面倒なことになりましたよ・・・」
スティングが肩をすくめながら言った。二人がようやくスティングに追いついく。
そして・・・
「ははっ!お仲間がいたか!そうだよな。男か女かわからないようなよわっちいやつが一人でこんなところ歩いたりしねえよな!」
下品な低い声にけらけらと周りの取り巻きが反応する。野盗だった。
「でもよ、あんなよれよれのお仲間じゃあ一人も同然だよな!」
言って再び笑う。
「男か女かわからないようなとわっちいやつ・・・?もしかして僕のことですかね?」
つぶやくように訊くスティングに答えるまでもないというように無言で二人がうなずく。
「じゃあ・・・あんなよれよれのお仲間って言うのは・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
やはり二人は黙ったままだった。スティングはそれをさっきの自分への反応と同じとみなした。
「へへっ、怖くて動けねえみてえですぜ」
取り巻きの一人が嬉しそうに言う。
「なんかめちゃめちゃ馬鹿にされてません?」
スティングが不満そうに言う。
「どうするの?」
疲れきったナチがディクスに訊く。
「スティング、任せた」
まだまだ大丈夫なスティングに全てを任せた。
「おいおい、何を話してるのかな?まさか逃げようったってそうはいかないぜ!」
錆びたダガーをちらつかせる。一人が前に出ると、それにつられてほかの野盗も前に出る。そして、じりじりと近づいてくる。しかし、スティングたちは動かなかった。
「どうするつもりですか?」
スティングが野盗たちに威圧的に訊いた。それに野盗たちは動揺する。
「ど、どうするって、てめえ!決まってんじゃねえか!」
「どうするんですか?十字以内で述べてください」
わけのわからないことを言うスティングに、野盗たちの動揺は激しくなった。
野盗の親玉らしき人物が前に出る。
「てめえ、わけのわかんねえこと言いやがって!俺はな、術が使えるんだよ!へへっ、驚いたか」
かなり自慢げに言うと周りの野盗がぱちぱち拍手をする。
「で、どうするんですか?」
無視して三度訊く。
「て、てめえ!人の話し聞いてやがったのか!?畜生!俺たちゃあお前らから金品強奪すんだよ!」
「文字数オーバーしすぎです。ちゃんと数、数えられますか?」
平然と言うスティングに野盗たちが逆上する。
「んだとてめえ!?」
「それに、僕たちみたいな貧乏冒険者がお金なんて持ってると思います?その日暮の生活ですよ。馬車代もないから朝から晩まで歩いて一角千金を求めて荒野をめざし、夜はたとえ街でも野宿を決め込む。食事は自力で狩をし、フライパンもないから手ごろな石を使って代わりにする。こんな野生生活同然の貧乏な一般市民から何をしぼりとろうというのです!?それでもあなたたちは人間ですか!?」
スティングがこぶしを握りながら力強く語る。それを聞いていたディクスとナチがにらむ。しかし、野盗たちはもうひるまなかった。さっきの親玉が手を広げなにやら精神を集中する。
「稲妻よ!」
そう叫んだ。しかし・・・
「・・・・?」
何も起こらなかった・・・ように見えた。実は集中力がないために微量の電気・・・静電気程度しか起こらなかったのだった。すると今まで黙っていたディクスとナチが口を開いた。
「駄目だな。そういうのは力でもなんでもないよ」
「そう、あのね、本当の術ってえのはね・・・」
言って二人が精神を集中させる。それに気付いた野盗たちがあわてて散らばろうとした。
「へミスフィアシールド!」
「アースボム!」
ディクスが透明な半球を"目標"に向かって出現させ、ナチがその中に大地の力を放つ。
「水よ!」
ディクスが再び術を使い、土煙で何も見えない半球のなかに水をまいた。そのおかげで土煙がおさまった。そして、半球の中の泥だらけの"目標"が現れる。
「・・・て、てめえら・・・・」
親玉が目をむいてディクスとナチを見る。そして、術の直撃を受けた泥だらけの"スティング"を見た。ほかの野盗も信じられないというように、逃げることも忘れてその光景を見ていた。
「こういうのを術って言うんだぞ」
まさか自分が攻撃を受けると思っていなかったスティングはショックで立ち尽くしていた。
・・・どうして・・・・冗談だったのに・・・・
心の中でつぶやく。
「それで、どうするの?まだやる気?」
ナチが野盗に向かって冷たく言い放つ。
「く、くそお!何でもいいから置いていけ!!」
親玉がやけくそに言った。もちろん断られるのは百も承知だったが、逃げれば野盗の親玉としてのメンツが立たないのである。それを見ていたディクスがナチに目で合図をする。
「そうか、そんなに言うなら・・・」
言って、ディクスとナチの二人がまだほうけているスティングの腕をがしっとつかむ。それでようやくスティングが我に返る。
「な・・・今度はなんですか?」
不審そうに訊くがそのまま二人に野盗たちの前に連れていかれた。
「スティング。後は頼んだ!」
言うと、二人はスティングの背中を思い切り突き飛ばしそのまま進行方向に向かってダッシュした!
「うわっ!・・・え?ちょっと・・・!!」
スティングが声をかけるが二人はそのまま走って行ってしまった。
「・・・」
残るは置いていかれた"生贄"と野盗たちだった。
「・・・お前、捨てられたな・・・」
親玉が同情するように汚れたスティングの肩をぽんと叩く。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
スティングが深いため息をついた。
「・・・もう大丈夫かな?ディクス!」
その頃、走っていた二人がようやく立ち止まる。
「はあはあ・・・ああ、もう大丈夫だろうな・・・スティングのやつきっと・・・」
どおおおおおぉぉぉぉんん!!
さして遠くないところから爆音が響いた。それとともに土の柱が出現した。そして、噴き上げられた野盗たちとともに崩れた。
「・・・あ・・・・あれもしかして・・・・」
ナチが驚いて息を呑む。
「スティングだな」
ディクスも驚いているようだった。
・・・お、怒ってる(本気で)
しばらくして空中に舞っていた土ぼこりも消える。
「どうする?戻る?」
「・・・そうだな・・・迎えに行くか・・・」
言って二人はもと来た道を逆走した。先ほどの場所に戻り、広がる光景に目をむいた。野盗たちがいた辺りがに大きな穴が開いていた。野盗たちは地面や木の上でのびている。
視線を移したその先に・・・・倒れたスティングがいた。
「スティング!」
二人はあわててスティングに駆け寄った。ディクスが抱き起こす。
「大丈夫か!?」
顔をぱしぱし叩いてみるが反応はない。腕を取り脈を図る。
「少し早いな・・・多分力の使いすぎだろう」
どうして・・・?とナチが訊きかけてはっとする。
「ねえ、も、もしかして・・・本当に置いて行かれたとか思ったんじゃない?それで精神力が落ちて・・・」
「加えて俺たちの攻撃もな。あれでもかなり精神的にダメージ受けてたみたいだし」
「それなのに中であんなに大きな術使うから」
「本人も混乱してたんだろう。力のコントロールが効かないまま精神力の全てを使い果たしたんだ」
すまなそうにスティングを見る。二人のコンビネーションのおかげで綺麗な長い髪も泥ですっかり汚れていた。
しかも微妙に乾き始めかさかさだ。
「運ばなきゃな」
言いながらスティングを抱える。
「大丈夫?」
「ああ、今ので俺のやる気も、体力も復活したよ。さてと、急ぐか。もう下り坂しかないし。それにほら」
ディクスがあごをしゃくった先に町が見えた。
「あと三十分も歩けばつくな。ナチ、荷物頼んだ」
ディクスとナチは再び歩き始めた。


町にようやく着き、すぐに宿を決めるとスティングを運んだ。
「どうしよう?まずは服を脱がさなきゃベットにも横になれないわね」
「そうだな。とりあえず床に寝せるか」
抱えていたスティングを床に寝かせた。ディクスが服を脱がせようとすると、ナチはタオルをぬらしてくると言って洗面所に行った。
「随分汚れてるな・・・でも、中は大丈夫か?」
とりあえず汚れた服だけ脱がせた。服のおかげで体までは汚れていなかった。それを確認し、ベッドに運ぶ。ちょうどそのときナチが戻ってきた。
「汚れたのは服と、髪ね・・・。髪は面倒だけど丁寧に拭くしかないわね」
「いや・・・術でも使えば何とかなるんじゃないか?前髪は無理だろうけど、後ろ髪ならなんとかなるだろう。ナチ、俺がディクスの頭を支えるから水と風の術を使って綺麗にしてくれるか?」
この前スティングが見せてくれたようにするつもりだった。
「うん、わかった。やってみる」
ディクスがスティングの頭を支え、ナチが手に持った長い髪にむけて水の術を発動する。髪の毛の流れに沿って水が包み込み、そして風の力で泡を発生させ、汚れを浮かせた。
「よし、そのまま風の力を封印して、水を外に捨てるんだ」
言われてぷかぷか浮かぶ汚れた水から髪を除くとそのまま窓に向かう。下に誰もいないことを確認すると水の術を封印した。水が消滅し、スティングにこびりついていた土や砂埃が風に舞って消えた。
「あとは残った部分を拭くだけだな」
ナチが持ってきたタオルでがしがしと拭き始めた。
「痛そう・・・」
ナチがつぶやく。
「仕方ないだろ?これくらいしないと落ちないんだから」
「それにしてもスティングには本当に可哀想なことしちゃったわよね」
「ああ・・・でも、元はといえばスティングが貧乏な一般市民とか言ったから。まあ、本気じゃないだろうけど」
「そうだけど、ちょっとやりすぎたわね。水だけにしとけば土がこびりつくこともなかったのよね。自業自得だわ」
二人ともとりあえず反省はしているようだった。
「あとで石を換金しに行くか。そのまえに先にスティングに使おう」
言いながら大事にしまっていた小さな袋を取り出し、石を取り出した。
それに神経を集中させるように目を閉じる。ふわっと石が浮かぶとディクスは両手の空間に石が来るように操作する。石が少しずつ光を放ち始め、スティングを包んだ。
「やっぱり良質な石なのね。光がこんなにも強い」
ナチが強い光を放ち始めた石を眩しそうに見る。ディクスはしばらくそうしていると石の力を引き出すのをやめた。
「これで回復も早くなるだろ」
さっきより顔色のよくなったスティングの顔を覗き込んで言う。
「ナチ、先にシャワー浴びてこいよ。結構汚れてるんじゃないか?」
「うん、有難う。じゃあ、お言葉に甘えて入ってこようかな」
ナチが部屋を出るとディクスがスティングの隣のベッドに座った。ポケットから小さなかけらを取り出す。何の力も感じられないフォースだった。
ディクスはそれをしばらく眺める。そして、ぎゅっと握り締めた。普段はただの石だったが、この時は違った。ディクスの手から光が漏れる。その手を広げると部屋はまばゆい光に包まれた。
「・・・何なんだろうな・・・これ」
そう言うと石の光は失われただのかけらになってしまった。それからしばらく時間がたち、ナチが部屋に入ってきた。
「気持ちよかったー。次ディクス浴びてきて。スティングはわたしが見てるから」
「ああ、頼む」
そして今度は自分が部屋を出た。
「スティングー、早く起きてー」
ナチがつぶやくように言う。やはりスティングは目覚めない。ナチは手のひらに意識を集中すると、それをスティングの額に当てた。水の術を使い、自分の手を通して冷やしているのだった。しばらくそうしていたが、手が疲れたのかひっこめる。
ふう・・・
ため息をつきスティングの寝顔をまじまじと見る。
・・・やっぱ王子様なのよね。わたしたちとは身分が違うんだわ。大事なエンドレス王位継承者なのにひどいことしちゃった。こんなことするの、世界広しといえどもわたしたちくらいかな。ごめんね・・・。
心の中で精一杯反省する。そして、スティングの額にかかった長いプラチナブロンドの髪を払う。
こんなわたしたちでも、これから旅続けてくれるかな・・・
そう考え・・・その考えを払うように頭を振る。
「大丈夫よ。スティングはそういう人じゃないもん。大丈夫、大丈夫。きっと死ぬまで一緒に旅を続けてくれるわ!」
自分に言い聞かせるようにつぶやいた。
「ナチ、どうだ?」
そうしているとディクスが部屋に戻ってきた。
「あ、うん。まだ寝てる。もしかしたら起きるの夜遅いかもね」
「そうだなぁ・・・俺ちょっと町に出て夕食買ってくるよ。スティングのやつ、今起きてもすぐには外出たがらないだろ。それに石を換金すれば当分の路銀になるし、何日でも静養できるから」
「うん、わかった。いってらっしゃい」
そうしてディクスは町に出かけた。


「やっぱ起きないね」
ディクスが買ってきたチーズパンをかじりながらナチが言う。
「お前だって、一度パニックになってすべての精神力を術に使ったとき、三日はベッドで寝てたじゃないか。スティングだって同じだよ。どんなに器が大きくても、一度すべてを放出すれば皆同じなんだ。だから術者はパニックになったとき不利なんだよな」
「精神力の使い過ぎでダウンしちゃうもんね。あの時は何もする気しなくて。起き上がるのも面倒だったのよね。やっぱ精神力って大切ねー。これがないと生きる気力がないもん」
もううんざりというふうにナチが言う。
「気をつけないと。食べたら自分の部屋に戻ってゆっくりしろよ。明日出発するかどうかはわからないけど、ゆっくり寝れるときに寝とかないと後が続かないから」
「うん、わかった。じゃあ戻るね。おやすみ」
ナチは最後の一口を食べると自分の部屋に戻った。
「おやすみ」
ディクスも辺りを整理するとスティングの様子を確かめ、早めにベッドにもぐりこんだ。
「はあ〜」
あくびをするとそのまま眠りに落ちた。