D.Force The Second Chapter
Force-8

久々の休暇


かび臭い、そして埃の立ち込める暗い部屋。
たくさんの本に囲まれ、二人は相変わらず古代文字と奮闘していた。
「・・・えーっと・・・竜・・・神は、子竜に・・・ねぇ、ディクス、これなんて訳せばいいの?」
背中合わせに同じように奮闘中のディクスにナチが肩をたたく。
「んあ?・・・ちょっと待て、いいところなんだ・・・」
しかし、ディクスは振り向かず、自分のやっていることに没頭したままだ。ナチは軽くため息をつくと、ここ数日で何とか訳した文書の紙を手に取った。
ここにある書物のほとんどは現代語に訳されているはずだった。が、しかし、院生の肩書きを持つ二人は修行のためだと訳されたレプリカを見せてもらえる事はなかった。本物を手にすることができるとはいえ、それでは嬉しさ半減である。本物だろうがニセモノだろうが、情報が欲しい彼らにとっては関係のないことだった。
―――― 竜神の力は砕け散ったそのとき結晶となる。現在のディオール大陸の竜神は二千年前、その力を受け継ぎ、その地位をものにしたといわれている―――― かぁ・・・
「砕け散ったその時結晶となる・・・これって、今でいうフォースのことだよね」
誰にともなくつぶやく。もちろん返事はない。
・・・二千年前にも砕けちゃったんだ。竜神の力。
再び息をつくと、その紙をほいっと投げる。それだけで、わずかな埃が舞ったのを見逃さなかった。
・・・肺が汚れそうかも。
古い椅子から立ち上がると、出口へと向かう。
「ねえ、ディクス。わたし、王立図書館の方にももう一度行って来るね。古代文字の勉強してくるから、後は宜しく!」
扉の付近で叫んだナチの声が書庫に響く。
「えっ?」
やはり目の前の仕事に集中していたディクスは一歩出遅れ、声をかける前に逃げられてしまった。ぱたんという音がして、再び書庫は静寂に包まれた。
「あっ・・・」
出かけた声を押しとどめる。頭をぽりぽりかくと、再び机に目を落とした。


今日は久々に一日フリーだ!!
どれくらい振りの休日だろうか。スティングの心は浮き立っていた。
ここ最近ずっと公務が忙しかったのだ。ブルーフォースのことから、政治的なことまで。他の国の使者とも何度も会合した。夜の寝る前しか自由な時間がなかったことが多かったのだ。
緊張の連続で表情がいささか難いものになっていたが、今は口元がニヤニヤしてしょうがなかった。
自分でも、普通の休日でこんなに浮ついている理由がわからなかった。
キィ・・・
ぼろぼろになってしまった今は、誰も出入りしない古い書庫の取っ手に手をかける。きしんだ音を立てながら扉がゆっくりと開く。
古い書庫は保存状態を保つため、一切の光を遮断されていた。
「光よ」
その一言で辺りが明るい光に照らされる。淡く、強い光ではなかったが、それで十分だった。一週間ほど前から忙しさのために断念していた古い歴史書の完全読破を実行すべく、目的の場所へ向かった。
「・・・・・・・・」
広い書庫の一角を右に曲がったときだった。視線の先がやや明るくなっているのに気付く。
―――― 誰かいるのか・・・?
珍しい事もあると思いながらも、気にかけず自分の目的の場所に座る。その場所は丁度、その誰かの目の前だった。とはいえ、スティングと相手の間には互いの顔が見えないくらいの高さの板が張られてあったため、互いの顔は見えなかった。
相手もスティングのことを気にしていないようだ。
あらかじめ取っておいた本を開くと、しおりを挟んでいた場所から目を通し始めた。
―――――― それから一時間程度たったころだろうか
相手が席を立った。相変わらずスティングは気にせず自分のすべきことをすすめていた。そして、そのペースで読み進め、とうとう最後のページをめくり終えた。
分厚い本の裏背表紙をパタンと閉じる。手で埃を払い、次の本を探そうと立ち上がる。
手元にあった光球を手のひらに移すと、本の立ち並ぶ暗がりへと足を進めた。
・・・・っと・・・竜神に関する記述は確かここらへんに・・・
おぼろげな記憶をたどり、それらしい本を探そうと身をかがめる。そのときだった。
ばさばさばさっガスッ
かがんだスティングの頭に大量の本が落ちてきた!
「!!!」
驚きと痛みで声をかみ殺し、頭を抱える。さすがにキロ単位の本の角が頭を直撃したのは効いたらしい。目の端っこに涙を溜めて必死に我慢している。
「くぅ・・・」
しかし、思わず声に出してうめく。
「誰かいたんですか!?」
それが本を落とした相手に聞こえたのだろう。驚きの声が上がる。
「ごめんなさい!気づかなくて・・・」
本で埋まってしまったスティングを慌てて起こそうとする。
「いたたた・・・・」
――――― 情けない・・・
スティングは一人むなしくなる。
「大丈夫ですか?」
目の前の人物はかなり心配そうな顔でスティングの様子を伺っていた。
・・・子供?
やっとのことで目を開けた先にはまだあどけない顔の少年がいた。今にも泣きそうだ。
「え・・・ええ、大丈夫です」
何とか笑みをつくり、立ち上がる。途中で後頭部に激痛が走るが気づかれないように顔をうつむかせた。
「本当にごめんなさい・・・ボクの不注意で・・・」
「大丈夫ですよ。怪我したわけではありませんし・・・それにこんなところに来る人も少ないですから。それに比べてここで勉強しているなんて偉いですね。まだ若いのに」
笑って答える。それに安心したのかその少年にも笑みがこぼれた。
「ボク、術を併用した医師を目指しているんです。薬草のこととかたくさん勉強してたくさんの人を助けたいから!」
――――― 家臣に聞かせてやりたいな・・・
まっすぐな少年の目を見てそう思う。
「君ならできますよ、きっと。がんばってください。そして、いつかエンドレス屈指の術者になってください」
少年の肩に手をかけ、勇気付ける。
「はい!」
元気の良い答えに満足そうにうなずいた。
「あの・・・ところでどの本探していたんですか?」
まだ床に散らばっている本を少年が手に取りながらスティングに見せる。
「・・・いえ、もういいですよ。そろそろ出ようと思っていたところですし」
かがんで数冊の本を取って棚に収める。
・・・あ、頭痛いかも・・・
さりげなく頭をかばい、向き直る。
「私はこれで。体に無理のない程度にがんばってくださいね」
「有難うございます!」
丁寧に頭を下げる少年に、礼儀正しいと好感を持った。そして、その場を後にした。
その場に残ったのは少年だけ。
「あー、びっくりしたぁ〜。まさか誰かいるなんて」
まだ床に落ちている本を棚に戻そうと奮闘する。
「まずはマスターの称号を貰って、医師の資格を目指さないとっ!」
院生最年少のアッシュは一人意気込むと、背をいっぱいに伸ばして大きな本を棚に戻した。


結局逃げてきちゃった・・・
かび臭い書庫から解放されたナチは王立図書館ではなく、院の寮に続く道を歩いていた。ディクスには王立図書館に行くと半ば強引にその場を後にしたのだが、ここずっと目にしている本、どれにでもすでに飽きがきていたのだった。
・・・見つかるのかなぁ・・・?
歩きながら手近な小石を蹴っ飛ばす。
「そういや、ここずっと本の話しかしてなかったけど、飛行術のことどうなったんだろう」
ナチは飛行術を教えてもらうために院に入ったようなものだった。だが、入ってからは本ばかり眺めさせられて教えてもらう機会がなかった。もしかして教えるのが面倒になったからうやむやにしてるのではないかとディクスを疑ってみる。
今度はっきりさせとこ。
「むーっ!!」
立ち止まり大きく背伸びをする。冬を迎えようとするデルタではあったが、今日は暖かく、浴びる日差しがとても気持ちよかった。天高い秋空も、とてもクリアに見える。
アッシュたち元気にしてるかな?マインさんはいまごろ特訓してるんだろうなぁ。
つらつらと考えながら再び歩き始める。ちょうど、王族のすむ宮殿と、寮を含むその他建物をつなぐ大きな庭園にきたときだった。
「やっぱり、ここはいつ来ても綺麗ね!」
中心の噴水に寄ろうと、手入れの行き届いている道を歩く。秋なのにこの花の多さには春を感じさせるものがあった。今日の陽気のせいもあるかもしれない。
「えっ、あ?もしかし、てこの花はリーンレイ!?」
美しいオレンジ色の小さな花弁を下に向け、かたまって植えられている花を見つけると発見したようにそばに寄った。
「うわー、なつかしい!」
すずらんのようなその花はナチのお気に入りの花のひとつだった。
――――― なんかリスタルを思い出しちゃうなぁ。リーンお姉ちゃんからもらったこの種を咲かそうって一生懸命になってたんだっけ。
いつだったか、リーンからリーンレイの種をもらったことがあった。植物を育てたことのないナチは早速その種を庭にまいてみたのだが、時期が悪かったのかその年は芽を出すことさえなかったのだった。そして、次の年。今度は時期を見計らって残った種を蒔いたが、せっかく出した芽も程なく枯れてしまった。
三年目にしてようやく小さなオレンジ色の花をつけたときは飛び跳ねて喜んだのを覚えている。そして、それをディクスが誤って踏みつけてだめにしてしまったことも。
その後、ディクスがどうなったかは言わなくてもわかるだろう。
「これって育てるの難しいのにこんなにたくさん咲いてるなんて。やっぱり一輪よりこうやってたくさん咲いているほうが楽しいよね」
独り言のようにぶつぶつとつぶやく。そのうつむき加減の小さな花に触れてみる。上に向けようとするが、手を離せば再び元の形に戻ってしまう。その繰り返しがナチには面白く感じたのだった。
"伝説にリーンレイって呼ばれた土地があったらしいんだ。どこの大陸なのかも分からないけどな"
ディクスが言ったことを今でも覚えている。そしてその謎は今も明かされぬままだ。
「リーンレイ・・・ね」
「どうかしました?」
いきなりかかった声に思わずしりもちをつく。
「えっ・・・?」
見上げるといつの間にか背後に誰かが立っていた。しかし、逆光で顔はうかがえない。少なくとも面識のない人物ではあるようだが。
「えっと・・・あっ」
あわてて立ち上がる。ところが、突然のことで立ちくらみをしてしまったようだ。バランスを崩す。
「大丈夫か?」
声をかけてきた人物に支えられ、何とかその場に直る。
「すみません、大丈夫です」
うわー、失敗した!!
あわてて謝ると軽く頭を下げる。そして顔を上げた。
―――――― えっ・・・?
美しい銀色の髪、燃えるような緋色の瞳。その容貌はまさしく・・・
「すっ・・・」
後に続く言葉を何とかかみ殺してその人物をまじまじと見る。
ちっ、違うっ!これは・・・――――― 誰?
目の前の人物は不思議そうにナチを見ている。ナチも何がなんだかわからないという表情を向けている。
・・・もしかして、この人、スティングの・・・
以前スティングから家族構成について聞いたことがあった。兄、弟が一人ずつと姉がいると聞いたことがあったのだ。スティングは王族特有の銀髪と緋色の瞳を持っている。そして、目の前の人物も同じ特徴を持った人物。
「客人・・・というわけでもなさそうだが・・・」
「あ、わ、わたしこの前院に入った院生で・・・えっと王立図書館に行く途中だったんです」
しどろもどろになって答える。まさかこんなところで王族のものに会うとは予想もしていなかった。しかも、第一王位継承権を持つスティングの兄弟。どう接すれば良いのかわからなかった。
・・・スティングはああだからいいんだけど・・・どうしよう!?この人お兄さんかな?弟さんかな?どっち!?
頭の中がパニック状態だ。
「もしかして、この前の事件を解決したっていう?」
そんなナチに思いついたように相手は言った。
「えーと、成り行きでそうなってしまって・・・わたしは何もしてないんです。兄が解決してくれましたから」
慌ててそう答えた。そして、もう一度相手の顔を見る。
―――― この人も同じ綺麗な瞳持ってるのね。それから銀の髪・・・でも、スティングとはなんか違う感じ。スティングは人懐っこい感じするけど、この人はきりっとした感じね。お兄さんかな?
「そうか・・・ところで、このリーンレイが何か?えらく熱心に見ていたようだけれど」
足元に咲いているリーンレイに目を向ける。その小さな花は相変わらず風に身を任せていた。
「懐かしい花だなって思って見ていたんです。故郷の思い出の花で・・・」
「・・・・・・リーンレイは伝説の地の、そして、その土地に住まう竜の名前だといわれているんだ。知ってるかい?」
――――― 竜の名前・・・?
目の前の人物が不意に口にした言葉が印象に残る。
「あくまでも伝説上のことだから本当かどうかは分からないが、私はそれが事実であると信じているんだ。竜神がいるのが同じように、はるか昔にもリーンレイのような竜がいてもおかしくないことだし・・・」
そう言うとかがんで一輪のリーンレイを手に取った。
「リーンレイは不思議な花だ。この花を通すようにして術を解放するとその威力は増大する。リーンレイはあらゆるものの精神力を高める作用がある。こんなふうに」
手の中のリーンレイを軽く握る。それと同時に二人の周りを暖かな風が駆け巡り、散った花びらとともに空へ舞い上がり消えた。
「ほんの少し力を込めただけでこれだけのパフォーマンスだ。見た目もとても美しい。重宝すべき花だと思うよ」
手に握ったままのリーンレイを術で砕くとナチの返事も聞かずその場を立ち去った。
・・・・・・なんだったんだろう・・??
なんとなく居場所のなくなったナチは、いささか寒く感じたその場所から離れた。


「久々に練習場にでも行こう・・・」
やや疲れ気味に一人つぶやく。
蔵書室で古書の直撃をうけたスティングは王宮にある術者のためのバトルフィールドに足を踏み入れていた。スティング自身、公務が忙しくなっている今、ここに来るのは久しぶりだった。
昼間だったが、その場所には誰もいなかった。それがかえって好都合だと思う。
――――― 大きな術でも使おう
その広場の中心に立ち、深呼吸をする。頭の中のイメージを固めるとそのまま大きく手を凪いだ。
ボッ
スティングを中心に炎のリングが波紋を広げた。それは余韻を残すように、遠ざかると同時に軌跡を残して消えた。
「天空より湧き出づる至高の光よ、永遠なるその力を今こそ我が手に!」
力のこもった言葉は辺り一体をまばゆい光に包み込んだ。空間が光っているのではないかと思えるほどの強いその光はスティングの合図とともに空間に溶ける。
「ふぅ・・・」
ひとつ息をつく。すると、今度は足を肩幅に開き、気を落ち着けるように深呼吸をした。ゆっくりと目を閉じると、"それ"を解放するために極限まで意識を集中する。
―――― 深海・・・・その未知の領域に巨大な姿を隠している誇り高き蒼い竜・・・
「海龍波!!」
ザッ!!
どこからか聞こえる波しぶき。明るかった視界が巨大な何かにさえぎられる。
「・・・・・・」
やがて波しぶきの音がやみ、元の静けさが訪れた。それを確認するとゆっくりと目を開ける。
「・・・成功」
目の前の巨大な影を見て安心するように言葉にした。
巨大な影―――― 蒼く光る硬いうろこを身にまとった巨大な竜・・・まだ発見されていない未確認の竜、海龍だった。あるはずのないその海竜はスティングの術によってこの場所に具現化したのだった。
もちろん、術で具現化したものだから外見はスティングのイメージのものではあるが。
「久々だったからできないかと思ったけど、覚えてて良かった」
海竜を見上げながら安心するように言う。具現化された海竜は長い触手で延ばしたスティングの手に触れた。
その感触は術で生み出されたものとは思えないほどリアルなものだった。
・・・・・そろそろ解こうかな。誰かに見つかって大騒ぎになったら大変だし・・・
そう思い、術を封じようとしたそのときだった。
ぐぉぉぉ!!!
何かの咆哮が木々をゆらした。
「!?」
術を解くのを忘れ、声のするほうに振り返る。
「何・・・だ・・・・!?」
向けた目の先には――――――
火竜・・・!?
紅蓮の炎を彷彿させる紅いうろこを持った竜。もちろんここにあってはならない危険な竜だった。灼熱のブレスは全てのものを灰燼に帰すといわれている。それが今自分の目の前にいる。
「どうして・・・」
いいかけて、気を取り戻す。
「海竜よ!火竜を打て!!」
クオォォォォ!!
主人の命を受けた海竜は方向とともに目の前の竜を打つべくその身を躍らせた!
ドォン
海竜の目が火竜を捉えると同時に巨大な水柱が出現した。その攻撃を予想していなかったのか、火竜は一瞬ひるみながらも、ぎりぎりのところでかわす。
その一瞬を海竜は逃さなかった。
ザァ
波の音とともに水の塊りが無数に出現し、火竜の周囲を取り囲んだ。
「いけ!」
思わずそう叫んだ。・・・が、しかし、海竜はそのまま術を発動しようとはしなかった。空に水の塊りを浮かべさせたままじっと火竜をみつめていた。火竜も同じように抵抗するでも攻撃するでもなく、同じように海竜をみつめたまま何も行動に移そうとはしなかった。
――――――
ザッ!
茂みから何かが跳躍した。突然の殺気にスティングは反射的にその場を飛んだ。
ドォン!
大地が隆起し、あたりが乾いた粉塵で視界が悪くなる。
「アクアベール!」
薄い水の膜が粉塵を包み込み、辺りを鎮めた。
「誰だ!?」
叫ぶが、相手の放ってきた次の攻撃の爆音にかき消される。二頭の竜はその様子を手助けする様子もなくただ静観していた。
「ウィンディシールド!」
風の障壁を身にまとい、高く跳躍した。そのままそばの海竜の背に足を掛ける。
「どこいった!正々堂々と出て来い!!」
――――― え・・・?
しばらくその場で様子を見ているとどこからか叫び声が聞こえた。随分怒っているようだった。その理由はスティングには分からない。
だが・・・・・・
「この声は・・・」
スティングはかすれた声を出す。
―――――― そんな・・・・でも、まさか・・・!?
「攻撃しかけてきたのはそっちだろうが!!」
海竜の浮かんでいる下の大地が大爆発を起こす。思わずかがんで下をのぞこうとした。
しかし、ほこりが目に入り、痛みに目を閉じてしまった。
―――― ったく・・・一体誰なんだ」
不意に耳元で声がしたような気がした。
「服がびしょぬれじゃないか・・・くっそ〜、おろしたてだって言うのに・・・」
「えっ?」
その声に反射的に振り向く。
「お前の主人は一体どんなやつなんだ。いきなり攻撃なんかして」
そう言うと海竜の頭をぽんぽんとたたく。目の前の人物の足は何も支えがない。空間に、当たり前のようにその場にいる。
――――― 飛行術・・・術の発信地といわれるエンドレスでさえ、その術を修得しているものはほんの一握り
スティングもかつてその一人と旅をしたことがあった。そして、再開を約束して別れた・・・
「ディクス・・・?」
目の前の人物にスティングはそう口にした。



第7話 第9話
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