D.Force The Third Chapter
Force-10
王立シュナウズ学院
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バタンッバタンッ 音が響くたびに埃がうっすらと舞う。同じ本を何度引っ張り出して埃を払っても、いくらでも埃は出てきた。今回も例外はなく、自分でも何回読み返したか分からない本をディクスは今日も取り出し、そしてしまっていた。 「ううううう〜んっ・・・」 左手に持っている本を凝視する。そして右手で分厚い辞書を引きながら単語を調べていた。 「そういやこの古代文字昨日調べたわ」 ここ最近集中力が落ちているのか、同じ古代文字を何度も辞書で引くようになってしまった。簡単な古代文字ならなんとか読めるが、専門的なものとなると話は別だ。 ディオール大陸にも数冊しか存在しないという貴重な辞書を片手にディクスはため息をついた。これを内緒で持ち出して貸してくれたスティングには感謝だが、そろそろ分厚い辞書ともおさらばしたいところだ。ディクスよりも古代文字に堪能なスティングを起用すればもっと早く読み進めることもできようが、スティングには彼の用事がある。 「ちゃんと勉強しておけばよかったな・・・」 悔しそうにつぶやく。 「この本にフォースに関する記述があるって確証があるなら頑張るんだけど・・・でも・・・なぁ」 そういって視線をずらす。その先には山積みにされた本が。 「はぁ・・・」 まだまだ先は長い。ディクスはため息をつくと、のろのろと再び辞書をめくり始めた。 「ねえ、ディクス」 夕食時、ナチが話しかけた。 「なんだ?」 「ちょっと明日バイトしに行って良いかな?」 ナチはそばにおいていた一枚の紙を手渡した。 「バイト?」 「そう、一日だけだし。それに、わたしは管理してないからわからないけど、生活費もそろそろ危ないんじゃないかなーって思って」 ナチに渡された紙を見る。求人広告のようだ。 "商品の棚卸のバイト募集" そう書かれていた。時給は相場といったところだ。 「いいでしょ?わたしも自分で欲しいものくらいは自分で買いたいし」 その広告をじっと見つめるディクス。 「ディクス?」 もう一度呼びかけると、ディクスははっと気づいたように顔をあげた。 「あ、ああ・・・いいよ。もちろん・・・」 「ほんと?じゃあ明日わたし朝早くから出るから、寝ててね」 そう笑顔で言ったナチにディクスはやや神妙な面持ちでうなずいた。 夕食も終え、そして風呂にも入った。レクサスにもちゃんとおやすみの挨拶もしたし、歯も磨いた。後はベッドに入って寝るだけ・・・だが・・・ 「一枚二枚三枚・・・」 ベッドの上で何かを並べている。そして全て並べ終えると非常に険しい表情を見せた。 そして並べたものを両手でかき集めると、もう一度並べなおした。 「二万五千リル・・・」 低い声でつぶやく。何度数えても同じ数字しか出てこない。ベッドの上の金をにらみつけてディクスは腕を組んだ。 ―――――― 少ない・・・ などと口には出せない。出すのが怖いのだ。 よく考えればここ最近断続的な仕事しかしていないのだ。スティングの護衛を行った時は結構な稼ぎにはなったが、それ以降仕事はしていない。 そもそもこのデルタに来てから仕事したのは何回だろうか? 「やばいな・・・」 自分で言っていて怖くなった。借金は二度としたくないのだ。 「誤算だ・・・ずっとフォースに構っていたから・・・」 主な出費は食費。エンゲル係数は高いが、家賃、光熱費など、この館にかかわることはセカンダリの世話の報酬代わりとなっていた。だからこそ、金に関する危機感が失われていたのだ。 「やばい・・・やばすぎる・・・!」 すぐに資金が尽きるわけではないが、せめて金を稼ぐ方法を見つけないと落ち着かないのだ。 焦りで胸がどきどきする中、ようやくベッドにもぐりこむ。目を閉じるが頭の中にちらつくのは金と仕事のことばかり。 そして――――― 朝になった。 ピチチチッチッ うっすらと光の射す窓の向こうから鳥のさえずりが聞こえる。布団を頭に覆いかぶさるようにしていたディクスだが、そろそろと顔を出した。 この季節のひんやりとした冷たい空気が火照った頬に気持ち良い。 「・・・・・・朝だ・・・」 呆然とつぶやく。 耳を澄ませば階下でなにやら物音がする。恐らくナチだろう。玄関の扉が閉まる音がすると、再び静けさが戻った。 妹ナチがバイトに行ってしまったのに自分は・・・ がばっ ディクスはベッドから起き上がると、いそいそと服に着替え始めた。 毎朝やっているようにセカンダリたちに餌を与え、そして自分も簡単な朝食を取ると館を出た。 さすがは大都市。こんな朝早くから町は動き出していた。大通りを一人ふらふらと歩く。しかし、その目はしっかりと立ち並ぶ店の張り紙を捉えていた。 「・・・安いな・・・」 とある店の張り紙。内容はバイト募集。他にも色々と物色してみるがディクスの心を捉えるものはなかった。 「そう簡単にあるわけないよな。いきなりだし」 ため息をつき、ふとあることを思い出す。 「そういえば院に入る前に宮殿の城壁にシェフ募集とかやってたよなぁ〜。あの時やっぱあっち選んでおけばよかったかなぁ。・・・もしかしてまだ募集してたりして」 思いをめぐらすと、ディクスは宮殿に向かって走り出した。 たったったったっ 足音が響く。少し走ったところで城壁に掲げられている掲示板を確認した。そして不安そうに覗き込むが・・・ 「やっぱりあるわけないよなぁ」 大声で言ってため息をつく。ほかにも張り紙を確認するが、結局金になりそうな情報はなかったようだ。 ―――――― フォースにセカンダリ・・・バイトについたとしても三つを両立させるのは難しいかな・・・ 腕を組んで考える。 昼間は人の少ないこの通りではあるが、朝は違うようだ。学校へ向かう子供たちが足早に去っていく。制服からしておそらくこのデルタでも有数の名門校だろう。笑い声を上げながらディクスのそばを通り過ぎていく。 しばらくそうしていると隣に一人の老人がやってきた。ディクスが見ていた掲示板を覗き込んでいる。邪魔になると思ったディクスはその場をのき、城壁に背中を預けて薄色の空を見上げた。 「なんか術が役立つような仕事はないものか・・・」 つぶやいたときだ。 隣の掲示板を見ていた老人がディクスを凝視した。その視線に気づき、ディクスは振り向く。 「――――― あの、何か・・・?」 じーっと見ている老人にディクスは不審気に訊いた。すると・・・ 「もしかして君は術に関する何かかね?」 「え?ええ、まあ。一応マスターの称号なら・・・」 答えたディクスに老人は満足そうな笑みを浮かべた。 「ほおっ!お若いのに感心だ!それとも見た目の若さに反して歳は行っておるのかな?」 笑う老人にディクスはひそかに傷ついた。何も答えないディクスに老人は続けた。 「実は人を探しておってな。まぁ、老若男女は関係ないのだが、術に通じているものを探しているのじゃよ。しかしこのデルタとはいえ、なかなか適人がみつからなくてのぉ。忙しかったんじゃろうが、でも君に会えてわしは嬉しいぞ!」 そういうとディクスの手を硬く握り締めた。 ―――――― どうせ暇ですよ・・・ 思いながら普段ならむすっとするが・・・ 「おいくらです!?」 嬉々としてたずねたディクスに、老人は嬉しそうにうなずいた。 子供の声がガラス窓を通して聞こえる。目を向ける先々、子供達がおおはしゃぎしていた。 授業の間の休み時間なのだろう。ちょっと空いた時間を見つけては子供達は外で走り回っているようだ。 ―――――― 学校か・・・ デルタにある立派な建物。 "王立シュナウズ学院" 校庭や校舎、その他設備のためにデルタでも結構な敷地を領している。六歳から十五歳までの子供はここで教育を受けるのだ。中でもこの学校はエンドレスでも名門校。 この学校を卒業してから研究職につくものも多い。 基本的に初等、中等、高等と分かれており、ディクスは初等部の棟に招かれたのだった。 小さな子供達が背の高いディクスの横をちょこまかと通り抜ける。 「おっと」 子供達がよけるよりもディクスがよける事が多かった。それでもお構い無しに子供達は笑い声を上げ、向こうに行ってしまった。 「ところで仕事ってなんですか?」 客室に通され、腰を落ち着けたところでディクスはたずねた。 老人がディクスの向かいの席に座ると、秘書と思しき女がトレイに茶を持ってきてくれた。 「うむ、それなのじゃが、えーっと・・・」 「クロードです。ディクス・クロード」 「おお、そうじゃったな。すまぬ。クロード君も知っておるようにこのデルタでも術の衰退が危ぶまれておるのじゃ。中等部、高等部はずいぶん熱心に術を学んでくれるのじゃが、初等部は注意力散漫での。なかなか思うように進まないのじゃ。原因ははっきりしておるのじゃが・・・」 「原因?」 「何年か前まではデルタでも随一といわれるほど術に長けた教師がおったのじゃ。しかし、この学院を出て行ってしまってな。子供達の興味を引くような術を持つ教師がいなくなってしまったのじゃ・・・」 悲しげに言う。 「興味を引くような術?」 「――――― つまり、ただの癒しの術だったり、攻撃の術では子供達のハァトをがっっちりつかめんのじゃ。最近の子供は見る目も肥えてしまったのか、そん所そこらの術では満足してくれんのじゃ」 「つまり、何か特殊な術を使って、子供たちのハァトをがっっちりとつかんで欲しいと?」 ハァトをがっっちりと・・・と強調したディクスに、老人は満足げにうなずいた。 「そうじゃ!わしもこの歳では大技はきつくてのー。頼まれてくれんかの?もちろん報酬は弾ませてもらうぞ。面白い術で子供たちを楽しませてやってくれ」 美味しい話だが、ディクスは神妙な面持ちだ。 「あの、ところで・・・」 「うむ?」 「何も術を見せていないのに、なんで私が面白い術を使うって思ったんです?」 訊いたディクスに、 「君の顔が面白いからじゃ」 そう、答えてくれた。 ディクスが偶然にも請け負った仕事。 それは子供たちに興味をそそるような術を披露して欲しいとのこと。講演を行い、それで子供たちが術に興味を持ってくれれば良いのだ。 報酬もさすがエリート校は高額だ。 普通の術ではないものを持ちネタにするディクスにとってはまたとない話ではあるが・・・ 「なあ、レクサス。俺の顔って面白いか?」 床に座り、レクサスにもたれかかりながら、どんよりとした表情を見せる。 たずねられたレクサスはディクスに顔を向け、大きな瞳でじっと見つめた。 「竜のお前じゃ人間の美的感覚分かるわけないよな・・・」 ため息をつく。 ――――― 君の顔が面白いからじゃ あの言葉が相当効いたらしい。かっこいいとかかっこ悪いとかは分かるが、面白いとはどういうことなのだろう? レクサスが鼻先を摺り寄せる。 「気にするな・・・ってか?」 いうとレクサスはうなずいた。 「つまり、面白いんだな、俺の顔は・・・」 さらにずーんとディクスのテンションが低くなる。ディクスの更なる悪化を感じ取ったレクサスは慌てたように立ち上がる。もたれかかっていたディクスは床に後頭部を打ち付けるが、レクサスは構わず仰向けになったディクスの腹に鼻を押し付けた。 「ぐぇっ!」 腹にぐいぐいと鼻を押し付けるレクサスに思わずうめく。結構痛いのだ。ついでに胃が気持ち悪い。 「や、やめろっ!!」 何とか叫ぶがレクサスはぐいぐいと押し付け、やめる様子はない。両手でレクサスの頭をどかそうとするが、人間が竜の力にかなうはずもなく、ディクスはされるがままだ。 「わかった!わかったからっ!!もう落ち込まないからやめろ!」 懸命にわめくディクスに、レクサスはようやく頭を上げた。 ディクスは仰向けに転がったままぜえぜえ言っている。 「レクサス・・・お前ってやつは・・・!」 叱咤すると、レクサスはぐるぐるとのどを鳴らしながらディクスに擦り寄った。 ・・・どうやらレクサスもディクスをあやすすべを身につけたようだ。 こう、甘えられては怒る気も失せる。ディクスは仕方なくあごをなでてやった。レクサスは嬉しそうに目を細めている。 「我ながら甘いよな・・・」 なでてやりながらレクサスを恨めしそうに見る。 「なんかこう、優しすぎるって言うか、思いやりがあるというか」 自分で自分の性格をほめている。 そしてしばしの沈黙。 「そうだよ、男は顔じゃないんだ!」 思いついたように叫ぶ。 急に元気付くとディクスは立ち上がり、握りこぶしを天に掲げた。 「これからの時代、求められるのは優秀な術者で、家庭的、優しさあふれる男なんだ!」 そして自分でうなずく。 「ついでに軽はずみな行動をしない落ち着いた、そこそこ熟年男性」 勝手に都合の良いように解釈して立ち直るのがディクスの性格。レクサスもそれを分かっているようで、ディクスをじっと見つめて賛成の意を示そうとはしなかった。 「レクサス、主人が俺でよかったな」 などと本気で言う。レクサスの頭をぽんっとたたくと、意気揚々とどこかに行ってしまった。 主人がどこかに行ってしまってからレクサスはため息をついた。レクサスなりにディクスを心配・・・いや、嘆いているのだろうか。 人間と過ごすようになって少しずつ人語を解すようになり、そして人間くさくなっていく竜。レクサスは何かを案じるように首を振ると、自分の寝床へと戻ってしまった。 「と、まあ、そういうわけで、術の練習してるんだって」 ナチが向こうのほうを見遣る。そこにはディクスがいろんな術を発動させてはやめ、発動させてはやめ・・・を繰り返していた。セカンダリたちがその光景を物珍しそうに眺めている。 「講習会みたいなものですね。でも、ディクスはマスターの称号の取得者ですから、学校側から見れば棚からぼた餅ですよ」 緋色の紅茶をすすりながらスティングが言う。ナチは甘さ控えめのチョコレートケーキをフォークでつついた。 言うまでもないが、紅茶もケーキもディクスの手作りだ。クロード家のエンゲル係数が高いのもここらへんの材料費に依存していたりする。 「それに特異な術はディクスの十八番じゃないですか」 その視線の先にはディクスが。腕を大きく振ると、その軌跡が白く光り、竜をかたどると天を仰いでやがて消えてしまった。かと思うと今度は何もない空間から水が溢れ出す。まるで噴水のように湧き出る水は、次の瞬間には輝き燃える赤き炎と変化した。 「――――― でも、なんか・・・術って言うよりは手品って感じがするけど・・・」 同じように眺めていたナチが言う。スティングもうなずいた。 「でも、まあ、好奇心旺盛な子供たちですから、ディクスみたいに遊び心も無いと興味を持ってくれないんでしょう。僕もどちらかというと汎用性の高い術より、何か特異な方が良いと思いますし」 「まぁね。普通なら自分の奥の手は見せない術者が多いけど、でもディクスはおだてたら木どころか崖を登っちゃうくらいだから。術を勉強するほうにとっては良い研究材料よね」 薄情なナチにスティングは苦笑した。 ディクスはそんな二人の会話にも気づかず、一人熱心に術を乱発している。 腕を伸ばして広げた手のひらから黒い竜の顎が飛び出ると、正面からそれを相殺するように輝く鳥が大きな翼を広げて包み込む。そして生まれたのは金色の鳥だった。 高く飛び上がると、光の粉を撒き散らしながら空を旋回し、一声鳴いたところで空に溶けた。まだ中に漂う光の粉は、地面に触れると輝きを増し、あたりを光のじゅうたんに仕立て上げたのだ。 「見てて飽きませんね」 「うん、しかもディクス楽しそう・・・」 本人はわかっていないかもしれない。術を発動し終えた時の恍惚とした表情を。 「これなら少しは喜んでくれるだろ」 ディクスは満足そうに息をついたのだった。 「ディクス、調子はどうですか?」 一息ついたディクスにナチとスティングがやってきた。 「まあまあってところだな。面白い術って言うのがどんなのかはよくわからんが・・・とりあえずそこら辺ではなかなか見れないような術を披露すれば良いと思ってな。戦うわけじゃないし、のんびりやるよ」 「でも、戦いでもあんな感じで術を発動したら敵もひるむかもね」 「その前に俺にそんな余裕がないよ」 「幻術とかどうです?狭い教室がいきなり大平原に変わったら驚くと思いますよ」 スティングの提案にディクスは首を振る。 「俺もそう思ったんだが、無理だ。人数が少ないならまだしも、多すぎるとかかりが悪いんだ。ま、これは俺の術力が足りないせいなんだが・・・それに中途半端な術をかけて呆れでもされたらそれこそ元も子もないからな」 肩をすくめて見せる。 「子供ねー・・・たいていの術なら喜んでくれそうだけど。でもさすがは名門校ってとこかな。ませてるっていうか・・・」 ナチが困惑したように言う。 「わたしなんてちょっとした術でもすごく感心してたのにな。自分が術を初めて使えた時だってどれだけ嬉しかったか」 「リスタルではデルタみたいに高位の術が扱える人間がいなかったからな。でもデルタならそれなりに使えるやつはいるだろうし・・・子供の目も肥えるんだろ。それにリディアの科学技術が浸透するような時代だ。術がなくてもやっていけるってそう思っているのかもしれないな」 推論を述べるディクスにスティングが神妙な表情を見せた。 「あ・・・すまん、スティング。術が浸透するようにって頑張ってるのに無神経なことを言って・・・」 スティングの頑張りを知っているディクスが軽はずみに言ってしまったことを謝る。本当に申し訳なさそうにしているディクスにスティングは困惑した笑みを浮かべた。 「いいえ、ディクスは本当のことを言っているだけですよ。そうですよね、よく考えたら僕、小さな子供たちに対する術の強化を忘れていました。今までどちらかというと大人向けに考えていて・・・何か対策を講じないといけませんね。なにせ、このエンドレスの未来は今の子供たちが築くものですから」 その言葉にディクスがうなずく。 「ですから、ディクス。子供たちに術の面白さを伝えてあげてください。お願いします。そのためなら僕も協力を惜しみません」 「わたしもよ、ディクス。まだディクスやスティングみたいにすごい術は扱えないけど・・・でも、わたしにだって出来ることくらいはきっとあるから」 「ああ、その時は頼むよ」 返事をしようとした二人の代わりに、様子を見ていたセカンダリの三頭が元気よく鳴いた。 まるで自分達も仲間に入れてくれとせがんでいるようだ。 「セフィーロたちも入れてくれってよ」 ナチがそばに寄ってきたセフィーロをなでながらおかしそうに言う。 「アクオスたちなら僕たちよりも専門的でもっと特異な術を扱えますもんね」 同じようにすり寄るアクオスをなでてやる。 「―――――― セカンダリか・・・」 ディクスは考え込むようにしてレクサスを見た。レクサスは自分もなでてくれと、大きな瞳をむけている。 「なあ、ナチ、スティング。早速一つ頼みがあるんだが・・・」 「何?」 ディクスはナチとスティングに思いついた提案を話し始めた。 |