D.Force The Third Chapter
Force-12

レベル オブ マスター


そこは大きな講堂だった。
正面の壇上にディクスは一人立ち、困惑していた。
目の前には二百人ほどの学生達がいる。きちんと座って壇上のディクスをじっと見ていた。
――――――― 数が多い・・・
初等部の低学年だけで良いとは聞いていたが、前回の高等部の数と比べるとやはり多かった。興味津々の幼い目がディクスを突き刺す。
「これからクロード先生にすごい術を見せてもらいます。皆さん、ちゃんと見て学んでくださいね」
校長が挨拶し、壇上から降りる。これで壇上は、再びディクス一人になってしまった。
手のひらが微妙に湿っている。緊張しているらしい。
「え・・・えー、これから色々な術を見せたいと思います」
やや自信なさ気にマイクを通して言うディクス。するとそんなディクスを見抜いたのか子供たちはひそひそ話を始めた。
そんな態度にいよいよ困惑したディクス。マイクを握り締め・・・そして、思いついたようにマイクをスタンドに戻した。
何かぶつぶつつぶやき、そして・・・
『これから術を見せたいと思います。皆さんちゃんと見ててくださいね』
講堂にクリアに響く大きな声。その主はもちろんディクスだ。
ディクスを無視して会話をしていた生徒達の表情が驚きに変わる。
ディクスはマイクを持ってはいない。それなのに何故すぐ前の前でしゃべっているようにクリアにはっきりと聞こえるのか・・・?
「今、風の術を使いました。術は攻撃や治癒に使うだけではありません。工夫すれば、マイクなんてなくてもこの場にいる全員に声を届けることが出来るんです」
まだ風の術を発動しているディクスの声ははっきりと聞こえる。
「では、これからも続けます。退屈にならないようにいろんな術を見せますね」
そう言って手を高く掲げる。するとその手から光の帯が出現した。その光は講堂の天井を覆い、まるでカーテンのようになびいた。
講堂中が金の光に包まれる。生徒たちは天井を見上げて驚きの声を上げた。
ぱちんっ
ディクスが指を鳴らすと、光のカーテンは下のほうから崩れ始めた。それは一つ一つ光の雪となって生徒達に降りかかった。雪のように降るそれを生徒達が手のひらで受け止めるが、吸い込まれるようにして消えてしまった。
「・・・とまぁ、こんな風な術だって可能です。もちろんこれは一部ですが・・・こんなのはどうですか?」
すると密閉された講堂に、外側から内側にかけて螺旋を描くように風が巻き起こる。
高い天井に伸び上がるようにして発生した風は、やがて目に見える大きな鳥へと変化した。透けて見える緑色の鳥だ。羽ばたくたびに温かい風が生徒達を包む。
全員が天井を見上げ、あっけに取られていた。
生徒達だけではない、その場にいた教官たちも驚きの表情を隠せないでいる。
ぱちんっ
再びディクスが指を鳴らす。するとその風の鳥は一声なくと、くちばしを地面に向けて垂直に落下した。
『わぁぁぁっ!』
その直下にいた生徒達が悲鳴を上げるが、落下した鳥はただ強い風を起こしただけで、崩れて消えてしまった。
何事もなかったことが分かると、生徒達はほうけたように辺りを見回した。
今度はその鳥が落下した地点が急に赤く光る。
すると轟音を立てて炎が伸び上がり、そして今度は火の鳥が飛び上がったのだ。
「すごいっ!」
歓声が響き渡る。紅蓮の鳥は炎を撒き散らしながら滞空している。もちろん撒き散らされた炎の固まりは熱くはない。
「ふむ・・・私が思っていた以上の術力の持ち主だったようじゃの」
校長が満足そうにうなずく。
「校長、彼は一体何者なんですか?術をあんなにも多様に駆使して・・・」
隣にいた教官が信じられないとでも言うようにつぶやく。
「クロード殿はマスターの称号を持つ術者じゃ。マスターの称号を持つものとは・・・我々一介の術者とはこんなにも格が違うということじゃの」
目を細めて続くディクスの術の大輪円を眺める。
予想以上の反響振りだった。生徒達は歓声を上げ、ディクスの術の数々を楽しんでいる。
「じゃあ、そろそろ俺の術は終わりだ。次は俺以上の術力を持つゲストの登場だ」
いつの間にか口調が普段どおりになっている。
ディクスは一度壇上を下り、講堂を出た。
「待たせたな、やっとお前達の出番だぞ」
そういうとレクサス、セフィーロ、そしてアクオスの三頭が待ってましたとばかりに鳴いたのだった。


再び講堂に戻ってきたディクス。
しかし一人ではなかった。ディクスの後ろに控える巨大な三つの影。巨大な翼を持ち、太い首をもたげている。
体に見合った大きな瞳は宝石を思わせる。そして大きな口は人間の子供などひと咥え出来そうなくらいだ。
生徒達も教官も驚いている。まさかこんなところでドラゴンが登場するとは・・・もちろん校長には了解済みであるが、三頭もつれてくるとは思っていなかったのか顔が微妙に引きつっている。
「これ、なんだと思う?」
ディクスがレクサスの頭をなでながらたずねる。すると、
「レッドドラゴン!」
あちこちから声が上がる。おびえてその場から逃げ出しそうな生徒もいるが、たいていのものは初めて見る竜に目を輝かせている。
三頭のうちどれが自分のお気に入りか周囲と話し合っている。
「うん、俗称はな。まず、この赤いのがブレイズロンドのレクサス、その隣がエアロガイドのセフィーロ、そして一番最後がグランドアビスのアクオスだ」
紹介すると反応するように三頭が鳴いた。いよいよ生徒達が騒ぎ始める。
「このデルタでは滅多に見られないが、このドラゴンたちもいわゆるモンスターと呼ばれる一種だ。でも、なかでも人間の言葉を解して、人間の手助けをしてくれるやつらがいるんだ。それがこいつら。もちろん術を使うことも出来る」
すると、一番端にいたアクオスが水の球体を出現させた。
アクオスの目の前でくるくると回っている。
「ドラゴンなのに術使ってる!」
驚きの声が上がる。
「こいつらは人間よりも強力な術を使うことが出来るんだ。俺が使えないような術も持っているしな」
ディクスと三頭の周囲は生徒達が引いてはいたが、慣れてきたのか興味からか、何人かの生徒が近づいて三頭に触り始めた。
三頭はそんな生徒達に頭を向けて小さく鳴いた。
このドラゴンは大丈夫だ・・・それを確信した生徒達はわっと寄って来た。
「わっ、わっ!」
ディクスはそっちのけである。気がつけばセカンダリとかなり離れた場所に立っていた。生徒達はセカンダリに群がり、大喝采だ。
セカンダリもなんだか得意そうだ。
完全にあぶれてしまったディクスは一人呆然とその様子を見ていた。ついさっきまでは自分が主役だったのに・・・どんなにすごい術もドラゴンには勝てなかったらしい。
「主役変わっちゃいましたね」
「すっごい人気ねー」
いつの間に後ろにいたのか、ナチとスティングがそういう。
「ま・・・いいさ、別に」
外で待機していたセカンダリを世話していたのナチとスティングだったのだ。ディクスが生徒達にどんな術を見せようかと錯誤していた時に思いついた意見・・・セカンダリを見せるという企画に付き合ったのだ。
ナチは普段どおりだが、スティングは身分が知られるわけにはいかない。
青い目に黒髪という変装付だ。
「でも、みんな楽しんでくれたみたいじゃない、良かったね」
「ああ、もし冷めてたらどうしようかと思ったけど、なんとかな」
「まさに適材適所ってかんじですよね。ディクスって面倒見いいですし、教師に向いてるんじゃないですか?」
「いいよ、もう。疲れる・・・」
すでに疲れているのかディクスはため息混じりにそう言った。
「そういえば、この報酬っていくらなの?」
ナチが訊くと、ディクスはにやーっと笑った。そして指を五本立ててナチに突きつける。
「五千?」
ディクスは首を振る。
「まさか・・・五万?」
信じられないといったナチにディクスは得意満面の表情をした。
「それもそうでしょう。曲がりなりにもディクスはマスターなんですから。その称号を持つものの講義なんて滅多に聞けませんよ」
「そうなんだー、でも何でマスターの称号を持ってる人の講義ってなかなか聞けないんだろう?一日だけでも話してあげたらいいのにね」
「それはみんな忙しいんでしょう。たいてい称号取得後はデルタを離れるみたいですから。後はいろんな企業に引っ張りだことか。最近リディア大陸の科学者も術に興味示してるらしいですからそれに携わったりとか」
ナチがなるほどとうなずく。
「じゃあ、ディクスみたいに暇人はなかなか貴重ってことね?」
「こらっ!」
ナチの言葉にディクスは不満そうに漏らす。
「いいじゃない、貴重なんだから」
「嬉しくないよ!俺だって別に暇じゃないよ。毎日家事したり、朝昼夕の献立考えたり、セカンダリの世話をしたり・・・」
腕を組んで深刻そうな顔をする。
―――――― 術者より主夫のほうが絶対、性にあってそうな気がする・・・
口には出さないが、ナチとスティングに二人は同時にそう思う。
「でもディクス、もしディクスが望むなら教師だってなれるんですよ。今回みたいに一回きりの講演もいいですけど、定職についたほうが収入も安定しますしね。それに、マスターの称号持ちならどこだって優遇です」
「だから教師は疲れるからいいってば・・・」
ジト目で見る。
「わたしも早くマスターの称号欲しいなぁー、そしたらバイトじゃなくてディクスみたいに高額な仕事に就けるのに・・・」
ため息をつく。
「ディクス、早く称号頂戴」
「馬鹿言え。お前はまだまだ半人前だ」
小ばかにしたような言い方にむっとする。
「何よ。術は一人前以上でも、人間は半分も出来ていないくせに」
ぼそっとつぶやく。
「ほぉ〜、じゃあお前は俺の半分も出来てないってことだな。つまり、四分の一」
「なんですって!?だったらディクスは八分の・・・いえ、十六分の一よ!」
「なんだと!?じゃあ、お前はその半分の半分の半分の・・・」
「ちょっと待ってください、二人とも!半人前だろうが半魚人だろうがディクスはディクス、ナチはナチじゃないですか!」
言い争いを始めた二人にスティングがあわてて取り入る。
「それに・・・子供たちが見てますよ・・・」
はっと我に返った二人が向けた視線の先には、呆然とこちらを見ている生徒達がいた。セカンダリたちも何事かとこちらを凝視している。
かなり気まずい。
「・・・・・・レクサス!ノーダメージバージョン、烈火の陣!!行け!」
ディクスが叫ぶと、レクサスは思い出したように咆哮し、それと同時に講堂一杯に炎の螺旋が出現した。
ディクスたちから視線をはずし、生徒達が歓声を上げる。
「ふー・・・危なかった・・・」
レクサスに術を使わせ、生徒たちの関心をずらしてディクスが息をつく。
「ごめんね、スティング。自覚が足りなかったわ」
「いえ・・・ところでディクスこれからどうするんですか?あのままアクオスたちにまかせっきりってわけには行かないでしょう?」
スティングが訊くとディクスは困惑した表情を見せた。
「んー・・・実はそれ以降のこと考えていないんだ・・・」
はははっと笑う。
「じゃあ、スティング。わたしたちは帰ろうか」
「そうですね」
そう言ってすたすたと歩き始めた二人をディクスが慌てて制す。
「あー、置いていくな!」
「だってディクスの仕事でしょ?大体わたしたちには関係ないし。まだわたしは良いとしてもスティングは思い切り巻き込んじゃったし。せっかくの休みなのに」
「僕たちディクスほどの術者じゃないですから。称号を持ってるわけでもないですし」
「ちゃんとお礼はするから!後十五分、なんとか持たせたいんだ。だから、頼むっ!」
手を合わせて拝みこむ。
困惑した表情でナチとスティングは顔を見合わせた。
「・・・仕方ないなぁ・・・。そこまで言うなら手伝うわ。乗りかかった船だしね」
「ナチがいいなら僕も・・・で、何をすればいいんですか?」


やや狭い校庭に生徒達は移動した。
そして目にしたものに驚愕したのだった。
セカンダリの三頭をはるかにぬく巨大なドラゴン。そしてそれは現実でないものであること。
水が形作っている竜は、太陽の光に照らされまぶしいほどに輝いている。透明に近いそれは、向こう側が透けて見えるほどだ。
火が形作っている竜は、炎のたてがみをなびかせ、炎の飛沫をあたりに撒き散らしている。その咆哮は天をも焼き焦がしそうなほどの紅蓮の炎を生み出した。
そして光が形作っている竜。竜の放つ光の粒子があたりを金の空間に染めた。神々しいその姿はかつての竜神を思わせる。
「ひーっ!久々にこれやったけど、疲れるーっ!」
ナチが半泣きで悲鳴を上げる。
「ぼ、僕も最近修行不足でつらいです・・・!抽象的なイメージを具現化するってきついですね」
スティングも焦りの表情を見せた。戦闘時と違い、精神の集中力が高まっていないのだ。そんな状態で消耗の激しい術を発動すれば誰だって疲れるのは当然だ。
「俺は平気」
講師役という緊張感が術力を高めているディクスは平然だ。一人で余裕の表情をかましている。
そんなディクスをナチがにらむ。
「だから、ちゃんと礼はするって!礼は俺の絶品料理な!いつもより手の込んだやつを作っちゃる!」
「趣味の延長じゃない〜っ!」
騒ぎあっている三人だが、周囲は気にしていない。
突然出現した三頭の幻竜を呆然と見ていた。校庭にいた生徒だけではない。校庭側にある窓という窓には人だかりが出来ていた。全員が身を乗りだして幻竜を指差している。
ぐおぉぉぉっ・・・!
光の幻竜が咆哮する。するとその口から光の粒子が放たれた。その光は校庭に降り注ぐ。
「こら、疲れてるのは分かるが、なんか竜にリアクションさせろよ。ただいるだけじゃつまらんだろ」
「無茶言わないでよ!わたし達はディクスと違って普通の状態なんだからこれが精一杯よ」
「同じく僕も・・・」
げんなりとして答える二人にディクスはしばし思案する。
「ナチ・・・」
「何よ」
そして怪訝そうに目を向けたナチをディクスはまじまじと見た。
「最近太ったな」
「!?」
「まー、最近寒くなってきたし、着膨れてるのかと最初思ったんだが・・・どうもそうじゃないみたいだな。それに最近間食多かったろ?太るのも当然だよな」
その言葉にナチの額に青筋が浮かび上がる。握るこぶしもかなり力が入っているようだ。
ナチの怒りに反応するように炎の幻竜も激しく鳴いた。そして光の幻竜に噛み付こうと牙を向けて威嚇する。
「ついでにスティング」
「はい?」
「最近ますます女顔になってきたな」
じっとスティングの顔を見て真面目にそう言う。スティングの表情がまともに崩れた。
「・・・・・・・」
「うん、怒った顔も女っぽいぞ。良かったな」
にっこり笑ったディクスにスティングは無言だ。しかし、内なる怒りは・・・
クアァァァァッ!!!
水の幻竜が空気を震わすほどの咆哮を上げ、光の幻竜に襲い掛かった!
突然争い始めた幻竜たちに現場は騒然だ。争いというよりは、光の竜が襲われっぱなしという感じがするが。追いかける二頭に光の竜は必死で逃げ回っている。
グァァァッ!
炎の竜が攻撃をけしかける。問答無用の紅蓮の炎は光の竜を包み込むが、その竜は実体のないもの。ダメージは全くないようだ。
続く水の竜もまた然り。それでも追われれば逃げるのが世の常か、三頭の竜は空中を縦横無尽に飛びまわっている。その場の全員がその光景を目で追っていた。
ディクスは二人のものすごい殺気に戦慄していた。けれど、そうせざるを得なかったのだ。
そう、講演会を大成功に終わらせるためには・・・
でも・・・怖い・・・・・・!!
半ギレしている二人にディクスは脅威を感じずにはいられなかった。人目もあるためにナチもスティングも抑えているのだろう。しかし、意思に作用される術にはその影響がしっかりとでている。二人の幻竜がディクスの幻竜を追い掛け回しているのもそのせいだ。
飛び回る幻竜に生徒達が感嘆を漏らしている。
術であんなことが出来るなどとにわかに信じられないのだろう。異様な雰囲気の三人には気づかず、懸命に空を見上げている。
一人冷や汗をかいているディクスは横目で時計を確認する。あと、五分・・・。
「ブレイク!」
ディクスが叫ぶと光の幻竜は突然光を撒き散らして空に溶けた。同じく、炎と水の幻竜もはじけるようにして消えてしまった。周囲から残念そうな声が上がる。
そして学校中に湧き上がる拍手の嵐。
その中でディクスは一人優越に浸っていた。殺気立つ二人の視線を背中に浴びて。
「・・・というわけで、私の講演を終わります。術は鍛錬すれば必ず上達します。皆さんも立派な術者になってくださいね」
丁寧な口調に戻り、ディクスはそう言った。
もう一度沸き起こる拍手。そして、ディクスの講演は幕を閉じたのだった・・・。


「ディークースーッ!!!」
「どあぁぁぁっ!!」
長い廊下を疾走する三人。ディクスはバイト代の入った封筒を握り締め、全速力で逃走していた。
そしてその後ろをものすごい形相で追いかける二名。
「ディクスッ!今回という今回は僕も許しませんよ!!」
珍しく怒っているスティングの表情も恐ろしいものがある。
キュキュキュッ
つきあたりを見事なドリフトで曲がる。そして、外に開ける場所に出・・・
「悪いなっ!」
天高い空に舞い上がる。
「あーっ!ディクス!逃げるなんて卑怯よ!」
それ以上追いかけることの出来なくなった二人は宙に浮かぶディクスにわめく。
ばさっばさっ
ディクスの背後に迫る羽音。振り向けばレクサスがいた。
「おお、俺の相棒!というわけで、ナチ、スティング、またな!」
そういい残すと、ディクスは遠くへ飛んでいってしまった。
「や、やられましたね・・・」
苦々しくつぶやく。
―――――― 怒りで術力を高めるためとはいえ、人を馬鹿にするなんて・・・許せないわ!」
ディクスと二人が顔を合わせればリンチにあうのは必至だろう。
ナチとスティングは団結するように互いにうなずいた。


―――――― 学院の校長室・・・
「ふむ・・・マスターの称号を持っているにしても・・・わしらはとんでもない術者を招いてしまったようじゃな」
校庭の空を横切り、どこかに飛んでいってしまった術者をまぶしそうに見つめながらそうつぶやいた。
そして、校長の思惑通り学校中が講演の話題で持ちきりだった。
「おれ、あんな風になれるように頑張るよ!」
どの教室でも聞かれる言葉。
未来の術者たちは、己の思いを実現しようと、今まさに駆け出そうとしていた。



第11話 第13話
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